阿曽原温泉小屋

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各方面の状況等!

2019-07-11

写真

今年から「一番搾り」も入れてみました。(ショート缶のみ)

昨日、貨車3両分の物資を小屋まで担ぎ上げました。

ビールロング缶5ケース!30kg弱の米袋3個!とかを、一回で担でくれる新規入場者?が居てくれたので予定より早く終わらせることが出来ました。

それにしても、宇奈月での貨車積み・阿曽原での荷揚げとも梅雨の晴れ間で荷物を濡らさずに済んで、こんなラッキーが続くなんて・・・素直に喜べずに「罠」では???と疑ってしまう小屋主なのでした。(いままでイッパイ痛い目に遭って来たもので)

各方面とも準備が進んでいるのですが、肝心の水平歩道の整備・雲切新道の架橋と草刈り等がまだ済んでいません。(橋が架ってからでないと、草刈りに行き辛いので)

阿曽原谷の架橋材の丸太は搬入されているのですが、何時頃橋が架かるのか?です。梅雨が明けないので作業も思うように進められないのでは。 

雲切新道の仙人谷下部の架橋も、慌てて架けて流されてしまえば新たな材料の確保が難しいのでなるべく梅雨明けを待ちたいところなのですが・・・、一応19日頃に架ける予定ではいます。

近くの小屋も準備が進んでいるようで、池の平小屋さんは7日に歩いて入って準備を進めているとのこと、仙人池ヒュッテさんは昨日のヘリで一部の物資と共に人間が入ったと、それぞれ電話連絡が入って来ました。

裏剣方面へは、剣沢二又の吊り橋がまだ架からないので一般登山者の方々の入山は、梅雨時で増水の危険もあり吊り橋が架かるまで様子を見られた方が賢明かと。

○昨日午後から、阿曽原小屋の電話が通じる様になりました。

ご予約の電話 0765-62-1148 にてお願いいたします。

限られた人員で回していますので、留守にしている事も有りますので繋がり辛いかもしれませんが・・・粘り強く?お願いいたします。 

貨車積み完了!

2019-07-08

写真

取りあえず貨車三両です。

今日の午前中に、小屋の食糧・ビール・ジュース・コメ・修繕材料等々の貨車への積み込みが終了しました。

毎年この時期は、雨の心配しなければならないのですが、今年は荷物を濡らさずに防水対策も万全に終えることが出来ました。

平成七年の大雨の年は、雨の中で積み込んで夕方に阿曽原に送る予定でしたが、大雨で線路が一部陥没してしまい・・・復旧作業に貨車が足りないからと、積み込んだ荷物を降ろして一週間後に復旧。

再度、荷物を積み込んで阿曽原にやっと送ったと思ったら・・・大雨で小屋までの歩荷が出来ず。

どんどん雨が激しくなって、結局トロッコ列車が洪水被害を受けて一年間不通となって・・・せっかく阿曽原まで送った大量の食糧・ビール等は下げるに下げれず飲み尽くすには・・・ほとんど無駄になってしまいました。

翌年から、一度に大量に物資を上げるのを止めるように成ったのでした。

ここで一言、 「人間、痛い目に遭って成長するモノなのです」 (って、まだまだ黒部は何が起きるか分からないので気は抜けませんけど・・・)

人間にはかないません!

2019-07-07

写真

見てほしいのは、丸裸になった雑木です。

前ページの土石流後の、剣沢二股の河原の写真です。

警戒している猿に目が行きがちですが、見てもらいたいのは真っ白に表皮が剥され磨かれたようになった雑木です。

想像するに、大雨で三の窓雪渓・小窓雪渓に集められた大量の水が鉄砲水となって川幅一杯に流れ下った際に、河原に生えていた樹木が水没して土砂交じりの水流に「ゴボウ」を洗うように表皮が剥けてしまったのかと・・・。

実はこの時に、二股の吊り橋の橋脚も流失してしまったので大仏達と仮設の橋を掛けに行ったのですが、河原の様相は一変してしまい、沢の流れる場所どころか川床が大量の石と砂利で上がってしまいコンクリート製の橋脚はどこへ行ったのやら???

水流から離れた河原に生えていた雑木は、軒並み下流になびいて皮が剥されていました。水が少ない時なら3m位の川幅の流れなのに・・・どれだけの雨が降ったのでしょう?梅雨末期は、山に大量の残雪もあって溶け出す量も多かったのでしょうが、それにしても現場から稜線までの距離や流域面積を考えると、どれだけ大量に雨が一気に降ったのか!

山が荒れると、人間には何にもできませんから!

ちなみに、この写真を撮ったのは今年も仙人池ヒュッテに番頭さんで入る予定の「W」さんが写したものです。他の写真も使わせていただいていますが、写真が趣味で仙人池ヒュッテに常連として通ってきているうちに、小屋の手伝いをするようになったとか! 泊る機会が有れば、夕食時にでもお話を聞いて見られれば楽しいかも。

梅雨末期には!

2019-07-06

写真

二方向から土石流が走った痕跡です。

九州の大雨被害、お見舞い申し上げます。

写真は、十数年前に剣沢雪渓で発生した土石流の痕跡です。高山帯は下界の降り方よりも、強く雨が降るのが一般的です。この時は阿曽原も強い雨が降りましたが、一山超えた劔方面がここまで大事になっているとは想像していませんでした。

斜面が水を含んで、二か所で地滑りを起こして雪渓を流れ下ったのが分かります。(10tダンプ何台分に成るのでしょう?)

土砂を被った雪渓は溶けにくくなって、そのシーズンは歪な雪渓が残ってしまいます。

普通の溶け方が違うのですから、進行方向の安全確認は慎重に行ってもらって、歩きやすいコースを選んで歩いてもらうことが大切です。

仙人温泉前後でも、大雨が降ると発生することが有りますが、今年も大雨被害が起こらないことを祈るばかりですが、もしも起こってしまえば天気が回復してから土砂を削ったり誘導目印等で整備すれば済みます。

私が言いたいのは、写真を見れば悪天候時の行動がどれだけ危険なものか分かってもらえるのではないかと!

観察眼!

2019-07-05

写真

融け始める場所と雪渓上に見える変化に注目!

4日前の、阿曽原の滝直下の残雪です。今回は、痕跡が分かる様にズームしてありますがリンクの写真と比べてもらうと分かるかと。

5月末の写真 残雪が壁にピッタリです!

雪面全体の高さ・岩壁近くの融け方・表面に走る落石の痕跡等々を観察してみて下さい。

顕著な例で、左下の雪渓が抉れる様に融けているのは、岩壁が温められてその輻射熱で溶けたモノです。

写真中央上部の融け方は、左上部から落ち込む滝(この写真では水量が少なくて)の水流で穴が開いて空気が流れてドンドン大きな穴が開いて、時々雪渓の裏側のトンネルが崩落する音が小屋まで届きます。だんだん薄くなって、雪面が窪み出してクラックが入って中央のブリッジが大崩壊します。

岩盤に張り付いた、橋脚部分は大きな雪塊となってしばらく残ります。

他にも、水が流れていない枯沢からの雨天時の流入によるもの等々、雪渓の変化がなぜ起きるのか・今はどんな状態なのか?とかを推察する事が出来ます。

他にも、勾配が急になるのはなぜ? 雪面の落石痕の発生源は?(雪渓上の石に腰かけての休憩は?その石はどこから来たの?)等々を観察して、何でこうなったかとかを考えてもらえれば身を守る事って言うほど大袈裟ではないけれど覚えておいてもらえれば!

水平歩道は整備中です。

2019-07-04

写真

補修用の丸太を空輸中!

一昨日、小屋の上空をヘリコプターが丸太を釣りながら飛んでゆきました。

水平歩道の、補修用の丸太材を空輸しているものかと! 阿曽原谷の架橋用の丸太も搬入されていました。 

このまま、順調に作業が進んでくれればと思うのですが・・・梅雨前線が南下したまま何時北上するやら???天気次第で作業の進捗は大きく変わりますから。

雲切新道の架橋も梅雨明けを待ってからでないと、材料の調達に苦労したので流失させる訳にはゆきませんので、報告をお待ちください!

以上のことから、7月13日からの海の日の連休までには水平歩道・雲切新道共に整備は終わるとは考えにくいです。

ちなみに、阿曽原谷の残雪は架橋部分から下部には欠片もありませんでしたのでいつでも橋は架けられます。これほど早く無くなったのは、私が入ってから初めてかも???

参考情報ですが、黒部ダムの勤務員と話していたら

「今年はダム湖に浮いている流木の類が少ないような気がするけど、雪崩が少なかったから斜面を壊していないのかも?」って言っていました。

「山は喋らないけど教えてくれているんだ」って改めて!

観察眼を養うためには、興味を持って山を見なければ!

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