阿曽原温泉小屋

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ほぼほぼ、イッパイになりました。

2018-10-12

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先にも御知らせしましたが、昨年10月の週末が全て天候が悪かったこともあり元々予約が多かったところに、先週の体育の日の連休が台風の影響で計画を繰り延べてのご予約の電話を頂いております。

今シーズン残りの営業期間の小屋の予約状況については、ほぼほぼイッパイになってしまいました。

阿曽原小屋は、ご存じの通り仮設の小屋ですので無理やり詰め込む事も出来ません。(床が抜けたりしないか・・・ヒヤヒヤしています)

早くからのご予約の方と、直近予約・飛び込みさんを同じ条件で泊まってもらうのは不公平感が募る事となりますので、客室の定員の倍以上は受ける事も出来ません。

更には、昨日の様に遭難が発生すれば小屋のスタッフも現場に出動する事に成り、小屋では残りのスタッフの負担が大きくなってしまい、疲労回復させようにも毎日混雑が続くと全員身体が持ちません。山小屋の仕事は「今日だけ頑張れば良い」と言う事ではないし、定休日もありません。ユックリ寝させてやろうにも、早朝出発のお客さんが4時頃から動かれますので・・・。

スタッフを増やそうにも、従業員部屋にも限りが有って増やせないのが現状です。

(この時期でも、以前は交代で休んでナメコ狩りに出かける余裕も有ったのに・・・)

限られた人員で小屋を回している事を御理解して頂き、電話で「勘弁して下さい」と言われたら、次回に回して頂くように御願い致します。

小屋の紹介で書いたことが有りますが、H9年に断っても断っても「馴れていますから、軒先でも廊下でも良いです」と言われて・・・、飛び込みさんで99人来られた年があります。

(H7年の洪水・H8年の大雪で2年続けて通れなかったので、H9年10月9日に集中して来られて、従業員部屋も開放してしまったおかげで、翌日から従業員が次々と倒れて・・・)

今現在、若干余裕のあるのが、17日18日24日25日26日だけです。

慎重な行動を願います。

2018-10-12

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権現峠から東谷尾根(昨年の紅葉)

昨日の朝、温泉の成分検査の為に県の衛生研究所の職員を伴い、宇奈月駅で出発待ちをしているところに「仙人谷上部で転落事故発生」の一報が入りました。

天候が悪くヘリコプターでの救助は見込めず、小屋に詰めている警備隊員と小屋のスタッフからは大仏と王子が、そして偶然小屋に来ていた大町遭対協のY君が現場に走る事に。

現場は、昨年も事故が発生した仙人温泉から上部20分の地点で発生。道から沢まで、20m位転落したとのことです。

一般的な登山者が歩けば阿曽原から5時間前後の場所ですが、最速者は2時間で現着して作業に掛かかったものの、仙人谷ダムまで担いで(寒さに震え腹を減らして)降りて来たのが午後5時でした。

私が小屋に帰って、衛生研究所の温泉採取の対応した後は、男手のいなくなった小屋では今夜のお客さんを受け入れる準備です。

カレーと弁当60個余りの仕込みをしながら、受付・電話応対・無線中継等々、女子スタッフとテンテコ舞い。(夕方5時~6時は、元々忙しいので電話は避けて頂ければ・・・)

黒部警察署からは応援隊員の派遣は仕事として当然としても、無線中継に当ってくれた唐松山荘さん・仙人谷ダムや上部軌道の手配等の関電さん峡谷鉄道さんの協力を得ながらの連携対応です。

仙人池~仙人温泉間については沢筋を歩く事に成るので、雪渓がしっかり残っている時はとても歩き易いのですが、残雪が無くなると渡渉・雪渓の迂回・斜面や路肩の崩壊等々、ルートにも管理にも問題があります。

元々このルートは、池の平山のモリブデン鉱山から粗製錬した鉱石を、高熱隧道が完成してトロッコ列車が来るようになった阿曽原に運ぶ近道として無理やり作った道と聞いています。(以前は、大窓~馬場島との話も)

暇になったら、少しまとめて意見を書いてみようかと考えています。

下の廊下情報!(10月11日)

2018-10-11

「下の廊下」については、取りあえず通行出来ていましたが、黒部別山谷~仙人谷ダム間の整備が全て終了したとの連絡が入りました。

しかし、危険で長いコースには間違いありませんので、通行される方は慎重に!そして、あんまりノンビリせずに!お願いいたします。

仙人谷に、新しい丸太が届きました!

2018-10-09

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ヘリに長吊りされた丸太。

雲切新道の仙人谷下部の、丸太橋用の新しい材料が届きました。(環境省の予算です)

5・6年に一度は補充しないと、鉄砲水等による流失・水に濡れての腐食等でどうしても丸太が足らなくなってしまいます。

長さ6m・重さ20Kgを40本空輸してもらいました。

思ったより吊り下げワイヤーが短くて、ヘリのローターが藪に接近してハラハラしましたが流石にプロです。

これで来年も橋を架ける事が出来ます。

奥の尾根の上に、薄っすら見える鉄塔が黒四発電所から2番目の鉄塔です。 あれが東谷尾根で、先に話したナメコの出ない撤退ルートです。   もう一つ奥に見える尾根が、鹿島槍に伸びる牛首尾根になります。黒部川から後立山の稜線は案外近いのです。(藪が濃くて、末端は岩壁ですが)

※皆が心配します!

昨日も、遅く届いたお客様が・・・。体調不良のまま歩いてペースが遅れたようですが、途中で連絡が入って警備隊員に迎えに出てもらいなんとか夕食の最終回に届きました。(仙人谷ダム人見寮から、連絡をもらえて安心できました)

そこへ、警察署から別件で行方不明の疑いの照会が! 調べると、阿曽原には来ていませんでしたが、今朝連絡が入り夜中の0時に蓮華温泉に届いたとの連絡が入りました。

昨日一日で、祖母谷温泉~白馬岳~蓮華温泉の予定だったらしいですが・・・。こちらは無理な行程で・・・?

遅くなると、皆が心配することを心に留めて行動して下さい!

★お騒がせしておりました100円硬貨問題について!

お陰様を持ちまして、心配していた連休を乗り切る事が出来ました。

この先は、支払いは普通にして頂いても良いとの見通しです。  ご協力ありがとうございました!

☆どうでもいい事ですが、小屋主は「ものもらい」になってしまい・・・見苦しい姿で御出迎えになってしまいます事をご容赦下さい。

紅葉情報!

2018-10-09

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台風25号前の雲!(露天風呂対岸の東谷尾根)

仙人池・池の平の紅葉は、小屋閉めと共に盛りを過ぎたようで。ドンドン紅葉の帯が下がって来ています。

小屋の対岸の東谷尾根・餓鬼の田方面は、西陽があたって温かいせいか遅れ気味ですが、小屋の裏の坊主尾根は日に日に紅葉が進んで来ています。

※個人的に思っているだけで、検証はしていませんが・・・。

黒部川の右岸と左岸の水平歩道の高さ辺りは、紅葉の鮮やかさが違うように見えます。 先に書きましたが、右岸は、西日があたる斜面で温度が下がりにくいのではないかと???(決して汚いとかではなく、鮮やかさの問題です) 左岸は、朝陽が当るだけで気温が上がり辛いから???

ただし、川の近くまで進んで来ると右岸左岸に係らず鮮やかになります!

同じ様に、右岸の山にはキノコが大して出ませんが、対する左岸の斜面では沢山取れます。

祖母谷温泉でキノコが沢山採れるのは、南越沢をはじめ北東の斜面が控えていて、更に黒部本流よりも斜面が緩く倒木がその場に留まり易いからではないかと。(うらやましい限りですが、キノコが食べたい方は秋の祖母谷温泉を御奨め致します

☆勉強しました。

平成8年は大量の残雪で、シーズン最後まで下の廊下が開通しませんでした。

仙人池ヒュッテ・池の平小屋が締まった後は、欅平から時々来るお客さんが少しだけで・・・暇を持て余した私と大仏は、欅平~仙人ダムまでの藪斜面・沢・尾根で入れそうな所は全部入ろうと毎日・毎日藪を漕いでいました。その年は、キノコが大豊作の年で食べさせるお客さんもいないのに・・・採るのが楽しくて!!!

左岸は一通り入って、今度は小屋の目の前の 東谷尾根 に仙人谷ダムサイトから取り付いて露天風呂の目の前に下ろうと企てました。

東谷尾根の上に出ると、東谷を挟んで黒四発電所建設当時の工事現場廃墟や、尾根上にも測量にでも来ていたのか朽ちた丸太と番線が有りました。ガンガン藪を漕いで、1700mのピーク辺りまで来ると小さな弥陀ヶ原のような感じで熊笹が広がり高原状の地形になり、餓鬼谷を望む尾根に出たところで阿曽原の露天風呂を目がけて下降開始。

1200m位まで来たところで、何やら黒部川から川の流れの音がゴーゴーとして来ます??? 朝、小屋を出た時には仙人谷ダムの放水は無くて、露天風呂直下の黒部川は簡単に渡渉出来そうだったのに・・・。無線で小屋を呼んで、黒部川の水量を聞いてみたら「さっきから放水が始まって、今は渡れそうにない」とのこと。 このまま突っ込んで、一か八かの渡渉をするか! 良い子にして、仙人谷ダムまで藪を引返して帰るか! 放水時の水量の事は大体想像がつき、流されたらどうなるかも・・・。

仕方なく引返すことにしましたが、そのまま下れば一時間足らずで小屋だったのに・・・。口にしたのは自衛隊の缶詰御飯だけで、ヘトヘトになって小屋に帰ったのは夕方五時を過ぎてからでした。

期待したナメコも殆ど採れず、疲れただけでしたが「右岸にはナメコが出ない」という貴重な勉強をしました。

この年は不通のおかげで、欅平~仙人谷ダム間の斜面の概略も実際に入って少し分かったし、随分キノコの勉強(種類も豊富でした)にもなりました。阿曽原で偉そうなこと言ってるようですが、何回も痛い目に遭って少しずつ黒部が解って来たのです。

今日の一言!

山菜もキノコも、闇雲に薮に入れば良いというモノではなーい!

剣沢二又・真砂沢の吊り橋の撤去について!

2018-10-08

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昨年の阿曽原滝の紅葉!

仙人池ヒュッテ・池の平小屋の、今シーズンの営業終了に伴い、

剣沢二又・真砂沢、二箇所の吊り橋の撤去が、早ければ本日の午前中には行われる予定との連絡が入りました。

今後、剣沢方面・ハシゴ谷方面からのコースを歩かれる方は、渡渉してもらわねばなりません。

※やっぱり・・・。

今朝5時前に小屋の前に、親子連れの登山者が到着しました。

聞けば、下の廊下を歩いて来てルートを間違って内蔵助平方面にかなり登ってしまい、気が付いて引き返したもののタイムロスが大きくて阿曽原まで届かずにビバークして来たとのことでした。

元々、テント泊予定だったので装備は有ったようで、凍える事は無かったのでしょうが・・・、早朝に阿曽原に来て朝食を作っていたところを見ると、寒くて寝ていられなかったのかも?

長時間の行動は、集中力が持たなくなるし夜間歩行になる等の危険が伴います。

前にも書きましたが、コースはしっかり確認して歩いて下さい。

☆せっかく「下の廊下」が歩ける様になったのに、毎日のように膝を痛めたお客さんが見えられます。歩きなれていない方は、距離がが長いので痛めているようです。 しっかり準備してから歩きに来てください。

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