阿曽原温泉小屋

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神様の掌の上で・・・。

2019-05-15

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新緑真っ盛り!

警察官時代に、覚せい剤事犯の卸元の長期間の張り込み捜査では県内はもとより金沢~春日井と私が現場に行った時に限って犯人確保をすることが出来たり。 (「次は香港に行けと言われたらどおしよう?」等と意気揚々と富山に帰ってきたら、管内で身元不明の焼死体が発見されて大騒ぎになって・・・その後は焼死体の歯型を頼りに近県へ歯科医への聞き込み捜査に駆り出されて結局迷宮入りに、その年は山岳警備勤務に付けませんでした) 

昇任試験の勉強など全くしていなかったのに、試験問題が法学から実務中心となって試験に受かったり(先輩の分隊長が、剣岳で訓練中に殉職した次の年で・・・タイミングが???) 

私が、剣沢勤務の時に事故が多発したり(先代の剣山荘の主人に「お前が来たら遭難が有るから来るな!」って言われるほど) 

また私の勤務日に限って、当時は珍しかった司法解剖事案が発生して、誰も好んでやりたいとは思わないであろう?死体解剖の補助員を立て続けにさせられたり・・・。(ちなみに、解剖を終えて帰って来てから「鉄壁の不動心」の為、一緒に解剖補助員してきた警察学校出たての後輩を連れて、ホルモン焼きの店に食事に行きました。今こんなことをしたら「パワハラ」って言われるんでしょうか?ちなみに、新鮮系以外の話ではもっとエグイものも有るのですが、夜中に絶叫する方が出るかもしれないので?この程度にしますが、見た目・臭い・感触等々慣れてないとシッカリ仕事を出来ないんです。嫌な仕事でも、人知れずシッカリやらなければならない仕事もあるのですから、一事だけを取って決め付けないで!)

阿曽原に来てからでも、数十年に一度クラスの洪水や大雪、何百・何千年に一度の落石などの自然災害で、まだまだ借金まみれだった山小屋営業が出来なくなって、そんな時に黒部でコアな山仕事を請け負っていたガイドがヒマラヤで亡くなってしまい、結果として災害復旧に携わる事になったこと等は、自分の意思とは別の所で動く周りに翻弄されなら???その時々で行って来た困難な仕事や、事有る毎に一緒に汗を流してくれる人間が現れてくれて「縁」みたいなもの感じたり?ただの偶然なんだろうか?と思う事があります。

あなたは、神を信じますか???Ⅱ

2019-05-14

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小屋での一番大切な仕事が、現在では廃道になった北又雪渓コースを下って二又吊り橋までのパトロール兼客引き(誘導)でした。 毎日状態の変わる、谷底の雪渓を縫いながら多い日には4往復したことも。

ある日、小屋の主人が「玉子」をボッカしに宇奈月まで下るので、二日間はパトロールに行かず留守番をしていた日に登山者が三人雪渓崩壊の下敷きになって亡くなる事故が発生しました。

たまたま、その日だけ行かなかったのに「もしも通っていたら?」背中が寒くなったのを覚えています。

数日後、小窓雪渓で遭難事故が発生した際に小屋に泊まった警備隊員と剣沢小屋のTさんと話す機会を得る事が出来ました。

警備隊員のSさんは後の先輩として、厳冬期の清水岳での大学山岳部の救助活動等危険な現場を共にしたり、Kさんとはニュージーランド登山旅行に一緒に行ったりと、それぞれ濃い付き合いをさせてもらいました。

剣沢小屋のTさんには、新人隊員の頃からなにかとかわいがってもらっていたのですが、平成8年のGWに怪我をされた際、阿曽原を引き継いでいた私に、現在の「山小屋サミット」にあたる「夏山相談会」にTさんのピンチヒッターで参加する事になり、そのまま毎年東京でのイベントに参加させて頂いてます。

そしてTさんの怪我が思いの外重傷で、剣沢小屋での仕事の復帰は難しくなったと分かった頃に、剣岳の富山平野側の登山口「馬場島荘」の管理の後見人みたいな立場でいた私達でしたが正直持て余し出したタイミングと重なり、Tさんに馬場島荘の管理をお願いした経緯があります。

そもそも阿曽原を引き継いだことにしても、公務員志向の強い富山県で警察を辞めようかと考え出した私がいて、同じタイミングでまず外に後継者を求める事の無い「国立公園内の山小屋」が後継者を探しているなんて! 出来過ぎと言うか、偶然にしては話がうますぎると言うか・・・。

続く!

 

あなたは、神を信じますか???

2019-05-14

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今年も、神田明神のお祭りの御神輿に遭遇!

最近「山小屋サミット」に行くと、神田明神のお祭りと重なります。 賑やかと言うか各町内それぞれ「頑張っておられるな~」って、感心するやら羨ましいやら。

前のページで「不思議な巡り合わせ」みたいなことを書きましたが、みなさんは「こんな偶然ってあるの」とか体験したことは無いでしょうか? それから、後から思い返してみると「あの時が有ったから」「不思議な縁」とか???

少し自分の事ですが・・・。

私は高校時代に山岳部に入ってから「登山」というモノに夢中になって、インターハイの県代表になって夏休みに出場する事に成っていました。

出場を2ヶ月後に控えた6月上旬の、県高校総体で我が高校山岳部の後輩の女子部員が登山道から転落死してしまったのです。

痛恨の事故でした! 結果として「インターハイ出場辞退」「部活動自粛」どん底でした。そんな時、父親の知人から「池の平小屋」でアルバイトをしてみないかとの話が。

仕事の内容も条件もそこそこに「山に行ける」と快諾して7月中旬から小屋に入る事に成ったのでした。

しかし、行ってビックリ! 今では、大概の山小屋には発電機があって夜には灯りが燈るのですが、発電機が無くて灯りは「カーバイトランプ」って知っていますか?密閉容器の中にカーバイト鉱石を入れて上の容器から水滴を一滴ずつ落とすと化学反応で出来る可燃ガスが発生して、細いノズルから吹き出すガスに点火して灯りにするのです・・・。 電気が無いのですから、冷蔵庫・冷凍庫は無く腐りやすいモノは雪を掘って埋めておいて、テレビも無いので情報は夜しか聞けないトランジスタラジオと、お客さんの持参する古新聞と週刊誌だけ。

炊飯器用のプロパンガスは有ったけど、他の煮炊きは「囲炉裏」だけで風呂を沸かす薪も小黒部谷のかなり低い所まで降りて、雑木を切って小屋まで引きずりながら帰って薪を作らねばなりませんでした。(今だから言えますが、降らないと樹木が細くて火持ちが悪く、なにより営林署に叱られるからとの理由で)

昭和初期みたいな生活が始まったのでした。 続く・・・。

「山小屋サミット」行って来ました。

2019-05-13

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相談ブース!

昨日、東京秋葉原で開催されていた「山小屋サミット」から帰県しました。

正確な来場者は分かりませんが、初見の方・馴染みの方・懐かしい方等々の大勢の方の御来場ありがとうございました。 今年の阿曽原バイトに応募してくれた、殊勝な女子も来てくれて「餌付け」に成功したし???(「山一直線」みたいな好感の持てる子でした。夏は他の小屋で働いて、秋には阿曽原にいてくれている筈ですので顔見たら応援してやってください)

2日目の午後からは咽喉も涸れ始めて、20枚余り持参して行っていた「沈黙の山」のDVDも半日で無くなり、今年新しく作った黒部観光旅館組合のパンフも二日目の午前には無くなり・・・見込みの甘さに反省しきりの小屋主なのでした。

咽喉ガレについて言えば、前日から前乗りして毎晩終電車まで飲み歩いたツケが出たような気もしますが・・・。

一曲も歌っていないのに咽喉が涸れたのは、楽しい飲み会と会場が盛況だったから! それにしても、東京の終電車はイッパイ人が乗っていると・・・毎年、驚いてしまうのでした。 って毎年終電車かいっ!

来月は、名古屋での「夏山フェスタ」に参加いたしますが、それまでに「組合総会」「救助隊総会」「室堂勤務」「小屋の下見」「小屋建て」「法事」等々行事が目白押し・・・。

今回「沈黙の山」のDVDを配布しながら改めて

「立山・黒部」世界ブランド化についての意見書

を提出した二年前の夏、災害で小屋の営業をすることが出来るようになったのが9月16日でした。 もし普通に7月から営業出来ていたら?果たして意見をまとめて提出出来ていただろうか???

「不思議な巡り合わせ」の様なものを感じる小屋主なのでした。

明後日から東京へ!

2019-05-07

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昨日の午後からの荒天で、奥山には新雪が!

東京秋葉原で開催される「山小屋サミット」は金曜日・土曜日なのですが、個人的な用事で前乗りします。

第7回山小屋サミット2019開催!

今年は、昨年以上に立地の良い会場です!沢山の方々の来場をお待ちしております。

写真は、家の前からの白馬岳方面!

荒天後で空気も澄んで新雪で真っ白になって、里山の新緑とのコントラストも鮮やかです。

って言うか、この時期でも大荒れになるとの証拠です。山に入る時には、天気予報を確認してから!

大活躍は良いのだけど!

2019-05-07

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室堂から、警備隊員をピックアップして飛び立つ「ツルギ」

残念ながら、GW中は事故が多発してしまいました。

写真の県警ヘリ「ツルギ」は、御山谷のスノーボーダーの事故対応に、更には剱岳源次郎尾根での遭難対応にも。

立山山頂直下から滑落したスキーヤーの収容には、消防防災ヘリ「とやま」が出動してくれましたが、丁度お昼時の快晴の中での収容活動は、立山一帯で登っていた人・スキーをしていたりした人・室堂平の観光客達から丸見えの中での収容作業は、重傷事故で有りながらリアルさが無いと言うかデモンストレーションみたいな・・・自分には降り掛からない災難!と思えてしまうくらい綺麗な山をバックにした中での作業でした。

事故内容についてはニュースで調べて頂ければ良いのですが、もう少し配意すれば???と残念なものも有りました。

人命第一なのは勿論ですが、山岳地帯での救助ヘリコプターの運用については、タクシー代わりに呼んでいるのでは?と取られるお気軽要請も実際あるのも事実です。

救助ヘリを運用するには、危険も伴うし費用も熱い気持ちも必要です! 実際に、訓練中や救助中の墜落事故も発生しています。

携帯電話の通話可能エリアの広がり等によって、首を傾げたくなるような要請が増えて来ることも予想されます。 運用方法の明確な指針を、各方面から意見を出して決めて広く広報してゆかねばならない時期に来ていると思います。

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