阿曽原温泉小屋

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スノーブリッジの下Ⅱ

2018-07-27

写真

雪渓の崩壊面から、倒木が突き出てます。

一枚先の写真の、左側への続きです。こちら側は、雪のボリュームが全然多く残っています。

中央に見える太い倒木は、雪崩で運ばれて来て埋まっていたモノです。突き出している層の色が茶色くなっているのが分かります。

※観察日記?

以前、下の廊下の開通前に残雪の状況を観察する為、黒部ダムまでの中間点の黒部別山谷まで二週間ほど毎日通ったことが有ります。

最初の頃は、雪渓がシッカリしていて雪の上を横断していたのですが、10日目を過ぎた辺りから段々怪しくなってきて・・・。

流石に渡れないだろうと思えた日に、左岸の登山道から試しに10Kg足らずの石を雪渓に投げ込んでみました。

石が着雪して半呼吸置いて、「バフーーーッ」轟音と共に黒部別山谷出合を覆っていたスノーブリッジが約20m四方の広さで5~7m位の高さを一気に谷底まで崩落したのでした。(スローモーションぽく)

雪渓の下に有った空気の逃げ場が無く、反動で谷底から爆風となって吹き上がって来て、髪の毛は全部逆立ち、全身氷の粒と飛沫にまみれて・・・、凄いものを見させてもらいました。

この経験だけでなく、・雲切新道が出来る前の仙人谷のルート工作・雪渓の下に潜っての救助活動・雪崩で埋まった遭難者の捜索で毎日雪渓を通った事等等、「観察日記」では有りませんが継続して雪渓の状態を見る事が出来たのが今に生きています。

スノーブリッジの下!

2018-07-27

写真

裏から覗いてみると。

登山道とは関係の無い、枯沢の雪渓ですが参考までに。(水平道が一部欠落して、迂廻路を作った地点の下流)

横に回ってみると、恐ろしい事になっているのが分かります。

雪渓の庇から谷底までの高さは、10m余りあります。 庇の厚さは見た通りで、とても端には近づけません。ガスが濃い時・夜間等に行動すると大変危険なのです。

右側の斜面に突っ張っている、雪の柱が融けて細って来た時や庇が自重に耐えられなくなると崩壊します。

毎年、残雪が残る場所はだいたい決まっていますが、冬の雪崩の規模やシーズン中の雨量等によって残り方が違います。 また雪渓が壊れ始める場所も、下を流れる沢や側壁の形状や勾配、さらには雪渓上に土砂が被っていたりしていると遅くなったりして見極めが難しい事が有ります。

一般登山道でこのような状態になる事は考えられませんが、万が一危険と考えればルート工作・迂廻路作りに小屋から出て行くこともあります。

欠落箇所の迂廻路(阿曽原側)

2018-07-26

写真

白いロープとピンクのテープが目印!

阿曽原からアプローチすると、欠落箇所の手前で迂回する為のロープと目印のピンクのテープが見えます。

このすぐ先が欠落箇所になりますが、作業用に欠落箇所にも青いロープが垂らされていますが、ほぼ垂直な2m足らずの壁になっていますので、近づかないで下さい!

欠落箇所に、丸太の桟道が施工されるのは8月盆明けになりそうだとの事ですので、それまでは迂廻路を利用して頂く事になります。

※水平歩道は、整備の方はまだ続きますが、以上の2箇所を慎重に歩いて頂ければ取りあえず通行可能となりました!

・折尾谷左岸の残雪は、継続してルート工作をしますので、このページでその都度お知らせしますが、台風12号が通過してからの対応になるかも知れません!

・水平歩道全体の草刈りは、ほとんど終了しています。

・一部の丸太桟道・梯子は、補修が終わっていない箇所も有りますが、歩行に大きな支障は有りません。  

水平歩道の整備状況(折尾谷~阿曽原)Ⅱ

2018-07-26

写真

欠落地点の迂回路の梯子(欅平側)

先日調査に行った時、一部欠落していた地点には欅平側に10mの梯子が作られました。(折尾の大滝より阿曽原側に3分)

梯子を上りきった所で、斜面をトラバースして欠落地点を迂回してから、ロープで水平道に戻ります。 トラバース・ロープの登降部分は、薮が仮払って有りますが慎重に歩いて下さい。

※想像ですが。

欠落箇所の周辺を観察してみたら、今回作られた梯子の上部の斜面の樹木が何本も中折れしているのが見て取れました。 手前には枯沢があるので、冬の間に「ホウ雪崩」がこの枯沢で発生したのでは???

その時に欠落箇所の周辺に有る樹木が、押さえつけられたり揺すられて、水平歩道の積み石状だった箇所が、その影響で崩れたのではないかと・・・。

阿曽原の露天風呂とその少し上流や、黒部川本流と折尾谷出合右岸側にも、かなり大きな規模で大木が倒されているのが確認出来ます。 今年は、あっちこっちで発生していたのではないかと!(大木が育つ数十年間は発生していなかった雪崩が、今冬に出たという事)

「ホウ雪崩」恐るべし! 観察して考えて検証しながら歩くと、違った角度から黒部を見る事が出来ます。 自分の目で確かめに来られてはいかがでしょうか。

折尾谷右岸側(トンネル出口)

2018-07-26

写真

キレイに無くなっていました。

五日前には、右岸側の出口の上には雪渓の庇が覆い被さっていましたが、今日は、キレイに登山道が出ていました。

谷の底には、崩壊した雪渓のブロックが折り重なって・・・。

どんな風に、崩れたのか? 想像するだけで背筋が・・・。

この場所は、雪渓が多い年には登山者に危険を説明しても、なかなか理解してもらえないのですが、この五日間の変化を見て頂ければ解ってもらえるのではないかと。

※黒部の残雪について。

黒部は、標高が低いのに大量の残雪が残る場所が有ります。標高が低いがために、気温が高く残雪の形がドンドン変化してゆきます。実際に半日前には歩けた場所が、帰りには崩壊していた経験もあります。

雪渓の状態の悪い時には、それなりの見る目が必要になって来ます。毎日、観察に行ってルート工作しに行けるわけでは有りませんが想像はつきますし頃合いを見計らって観にも行きます。

この登山情報のページで、危険と書いてある間は無理をなさらぬように願います。(更新が無いと言うことは、危険がまだ残っていると御理解下さい)

折尾谷左岸(欅平側)の残雪Ⅱ

2018-07-26

写真

ルート工作状況

白く見えているのが、カッテングした場所です。そこまで登ってトラバースするためのロープを張り込んできました。

写真では、沢山削ってない様に見えますが、1人で硬い雪渓にピッケルを2時間位叩き込んで・・・。こんな時に、大仏は白馬~祖母谷線の登山道の草刈り! 王子はガイドで下山中!それぞれ目イッパイやってます。(大仏からメールが。清水岳お花畑でニホン鹿が跳ねているとの連絡が有りました)

腕がパンパンで、弁当を食べる時に箸を持つ手が言う事を利きませんでした。横着して、ツルハシを持って行かなかったのが悔やまれました。

ちなみに現場には、小屋のピッケルを置いて来ました。融け方によっては、怖い残り方になってはいけないとおもって・・・。なので、明後日もう一度なのですが・・・台風でキャンセルが出ているので遅らせるかも?

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